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注目事例-登別商工会議所様

会員・非会員の垣根を越えた企業の活性化に
データベースを活用

(2015年5月取材)

名産品の開発で街を活性化

登別商工会議所
      事務局長  田村 正行氏

登別商工会議所
中小企業相談所 経営支援課
            主査  田中 将大氏

北海道の南西部に位置し、山の緑も海の香りも味わえる登別市。言わずと知れた「登別温泉」は、バラエティ豊かな泉質が大きな魅力となり、国内外から毎年300万人を超える観光客が訪れています。爆裂火口跡「地獄谷」や、閻魔大王のからくりが上映される「閻魔堂」、「鬼花火」「登別地獄まつり」といったイベントなど、湯煙から連想される「地獄」がキーワードとなり、訪れる人を魅了しています。

その一方で、重工業が盛んな室蘭市に隣接していることから工業圏の一翼として発展してきた一面も。二面性のある登別市には、幅広い業種があり、多種多様な企業が存在しています。「市内には大企業は少なく、大半は中小規模の企業です。そのためか、事業所の入れ替わりは激しいですね。近年は人口と事業所の減少が進み、少子高齢化による後継者不足が課題です」と話すのは登別商工会議所の事務局長である田村正行氏。

各地で聞かれる問題ですが、外国人観光客が多く訪れる登別市にとって、事業所の活性化は火急の課題でした。改善策を考えた際、「世界的に有名な観光地にも関わらず、名産品がなかった」と数年前を振り返るのは経営支援課の主査である田中将大氏。そんな弱点を克服するために、登別商工会議所はさまざまな取り組みを実施してきました。

まずは、隠れた逸品にスポットを当てたり、新たな名産品を生み出したりといった「登別ブランド」の開発を開始。「300万人もが訪れるマーケットを“登別ブランド”でキャッチできれば高い経済効果が見込める。街を歩いてお勧めするものを見つけていき、今では10社20件ほどのアイテムが『登別ブランド推奨品』となりました。現在も試行錯誤しながら新たな商品を開発中です」(田中氏)。事務局を運営する市役所の観光経済部と連携して取り組みを進めています。また、「登別ブランド推奨品」の開発から派生した事業で、今年4月からスタートしたのが「登別閻魔やきそば」。新・ご当地グルメの立ち上げは、道内で大きな話題を呼びました。「北海道産の小麦の平麺や登別の食材を使うなど、統一ルールのもと、協議会に登録してもらう仕組みです。これを機に各店舗の新規顧客獲得につなげていきたいですね」(田村氏)と意欲を見せます。

現実的な事業計画を実現したTPDB

▲硫黄の香りが立ち込め、湯煙や水蒸気が噴き出す「地獄谷」

▲地獄谷に棲む赤鬼と青鬼たちが10mもの火柱が上がる花火をもって登場する「鬼花火」は6月~8月の週末限定イベント

こうした“街を企業を活性化する”取り組みに登別商工会議所が活用したのが「タウンページデータベース(TPDB)」。NTT東日本・NTT西日本が発行するタウンページに掲載されている情報を電子媒体で受け取ることができるものです。企業の住所や電話番号、職業分類といったデータを、CSV形式で受け取れるサービスで、表計算ソフトなどで読み込むことができます。

かつては、十数年前の企業情報をベースに、手作業でデータを更新して事業活動に使っていた登別商工会議所でしたが、入れ替わりの激しい個人事業主の情報を追うのは難しく、郵便物が未着で返ってくることも少なくなかったとか。「管轄内の事業所数が把握できないと、どのエリアのいくつある飲食店のうち、何店舗を対象に事業を展開するのか、事業計画も立てられない。そんなとき、TPDBを利用することで、より現実的な事業設計を行えるようになりました」と田中氏。TPDBを採用した理由を「データの鮮度の高さです。変化が激しい市内の事業所データを把握するには、新しい情報である必要がありました。
  また、法人に限らず、個人事業主の情報まで入っているのも決め手となりました」と話します。データが整理されて使い勝手がいいことや他社データより業種が細分化されているところも、商工会議所の事業活動にマッチしたといいます。「企業の活性化を図る営みには、より業種を限定したい場合が多いんです。同じ飲食店でも、うどん屋なのか寿司屋なのか、やきとり屋なのかがTPDBならわかる。エリアを絞ることも可能です。表計算ソフトでソートするだけなので、効率的に作業を進めることができました」(田中氏)。

他にも「特定法定台帳作成のための基礎データ更新」「新規会員獲得に向けた未登録事業所データの整備」などにTPDBを利用。全国データと登別市内の業種割合を比較し、地域の特色を確認することにも活用しているそう。「一度購入したら、幅広く活用できるうえ郵便物の戻りもなく、コストパフォーマンスの高さを実感しています」(田中氏)。

「会員・非会員の垣根を越えて、管轄内すべての事業所に経営支援を行っていくことが会議所の使命です」という田村氏の言葉を受け、「今年度は過去実施時にも消費喚起効果のあった『プレミアム商品券』の発行や、昨年トライアルで手応えのあった『街ゼミ』*など多彩な活動を予定しています。多くの事業所と市民の皆さんの交流を助け、活性化のお手伝いをしていきたいですね」と田中氏が展望を教えてくれました。商工会議所の活動において、ますますTPDBの活用場面が増えそうです。

▲登別市の豊かな自然や文化から生み出される食品加工品のうち特に優れた商品をお勧めする「登別ブランド推奨品」、地域内の飲食店を気軽に飲み歩きしてもらうイベント「登別街バル」、ご当地やきそばで町おこしを狙った「登別閻魔やきそば」などがある

*『街ゼミ』…お店の店主が講師役になって近隣の市民の皆様を対象に無料の講習会・ミニセミナーを実施する商店街を活性化させる取り組み。

Profile
所在地北海道登別市中央町5丁目6番地1
会頭上田俊朗
会員数約684事業所(2014年7月3日に開催された登別市中小企業地域経済振興協議会 議事録参照)